かかりつけ薬剤師の基本

H28年4月の調剤報酬改定にて、「かかりつけ薬剤師指導料」という項目が新しく出来たことで正式にスタートしました。
患者様に薬剤師を指名して頂き、毎回同じ薬剤師が担当することになります。
かかりつけ薬剤師サービスを受ける場合、「薬剤服用歴管理料(38点、又は50点)」の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料(70点)」がかかります。

実際に患者さんが支払う金額は、保険が適応されますので、1割〜3割負担になります。

・1割負担の方は、およそ20円〜30円の差
・2割負担の方は、およそ40円〜60円の差
・3割負担の方は、およそ60円〜100円の差になります。

なぜこの制度がスタートしたのか

今現在の薬剤師の仕事を見る限り、職能を果たし切れていないという指摘が多くありました。
そこで、厚生労働省は患者のための薬局ビジョンを策定し、薬局があるべき姿を発表し、薬局の再編を促しています。
(参考:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html)

そこでは、患者本位の医薬分業の実現に向けて今後薬局が持つべき機能として
・服薬情報の一元的・継続的把握
・24時間対応・在宅対応
・医療機関との連携

を柱として明らかにするとともに中長期的視野に立って、かかりつけ薬局への再編の道筋を示しています。
これらを実現させるために、かかりつけ薬剤師という存在は欠かせないのです。

かかりつけ薬剤師になるにはどうしたらいいの?

かかりつけ薬剤師として働くには以下の条件を満たさなくてはなりません。
・3年以上の薬局勤務経験
・勤務先の薬局に週32時間以上勤務
・勤務先の薬局に半年以上在籍
・薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師の取得
・医療にかかわる地域活動への参加

上の3項目は経験のある社員や準社員であれば特に問題はないかと思います。
下2つの項目が引っかかる方が多いのではないのでしょうか?
そこで、それぞれについて確認していきましょう。

〇研修認定薬剤師の取得

認定薬剤師になるためには必要な単位を取得する必要があります
・認定の新規申請 40単位以上(最長4年以内、毎年5単位以上)を取得
・認定の更新   3年毎に更新(30単位以上、毎年5単位以上)取得

単位の取得には認定シールが配布される研修会や学会への参加やeラーニングなどで学習し、単位を取得する方法があります。
研修会や学会は時間が決められていることも多く、通常業務で手一杯の方は中々参加が難しいことも多いです。
そこで、最近はeラーニングのほうがメジャーになってきていると思います。
eラーニングで学べるサイトとして有名なのはMPラーニングメディカルナレッジです。
共に年間2万円弱程度ですが、今は企業の福利厚生で補助がでるところも多いです。
また、認定薬剤師を持っていると転職に有利になることもあります。

〇地域活動への参加

医療に関する地域活動としては以下の項目が挙げられます。
・地域行政や医療関係団体などが主催する住民への研修会等への参加
・行政機関や地域医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとで実施している休日夜間薬局としての対応、休日夜間診療所への派遣
・委託を受けて行う学校薬剤師

などが挙げられます。
ただし、メーカー主催の勉強会への参加は地域活動としては認められていません。
また、薬局が薬剤師会に加入しており、注射針の回収を行っていればそれも認められるケースも多いようです。

かかりつけ薬剤師の効果は?

まだ制度が始まって間もないかかりつけ薬剤師制度ですが、日本調剤さんがかかりつけ薬剤師の効果を検証されています。
その結果としては、昨年10月からの9カ月間でなんと会社全体で8,440万円の薬剤費削減効果が表れたそうです。
また、1月に実施した「かかりつけ薬剤師に関するアンケート調査」では、日本調剤さんでかかりつけ薬剤師をお持ちの患者さまの74%が「良かった」と感じているとの結果が出たそうです。
これらを見ると今後、かかりつけ薬剤師が薬局の主流になっていくことも十分考えられそうです。