独立したい人は結構たくさんいる?

「いつか自分で薬局やりたいんだよね」

調剤薬局やドラッグストアに勤めている方は、1人くらい周りにこんなことを話している人がいたことがあるのではないでしょうか?

私の周りにも4,5人くらいはいましたし、実際自分もそうでした。

中には声には出さなくても興味はある人も多いと思います。

少しでもそんな方の参考になればと思い、自分や周りの人の独立体験記を書いていこうと思います。

独立したいと思うきっかけ

きっかけ、動機は人それぞれかと思います。

全て自分の思う通りに経営してみたい、お金が欲しい、地域に貢献したいので面受けで頑張りたい、など。

きっけはなんでもいいと思います。ただ、現状の環境と比較して、リスクを負ってでも独立したいと思う理由に見合っていれば・・。

 

私の場合は、自分の思うとおりに経営してみたいと思うところが一番でした。

薬局という狭い世界で、人の欠点ばかりが目に付き、それを影で言い合う環境に辟易とし、それなら自分でやってしまえばいいやと思い始めることがきっかけでした。

まわりに相談すると、そんなに社会は甘くない!とか、失敗したらどうするの?
とかありきたりなネガティブワードをぶつけられました。特に年上の方には・・。

独立するには、そういったネガティブワードをぶつけられても尚、やりたいと思う気持ちが大切になってくると思います。実際リスクはかなり大きいことですし。

私は数少ない背中を押してくれる人の言葉を頼りに独立を押し切りました。

独立の方法

薬剤師の独立する職種は何通りかあると思います。

・調剤薬局の開業

・ドラッグストアの開業

・卸の開業

・薬識を活かした飲食店の開業 など

まだまだあります。

ただ、開業資金や開業後の見通しなどを考え、私の場合は元々調剤薬局の開業に絞ってました。

そこで、調剤薬局の経営法について調べ、勉強し、開業手段についても調べ始めました。

調剤薬局開業への手段

調剤薬局を開業するには、なんといっても処方箋をメインで受けさせてくれるDrとのコネクションが必要です。

面で頑張りたいという心意気はわかりますが、実際にその辺の空きテナントで調剤薬局をぽーんと出店しても採算があわずにつぶれることがほとんどかと思います。

面受けの場合には駅前など医療機関が密集しているところならば上手くいくかもしれません。

私は、面はリスクが高すぎると思い、マンツーマン薬局を考えていました。

調べていくと、いくつかの方法がありました。

・勤務医のDrが独立するタイミングで一緒に開業
→MRの方はよくあるケース。MRやMSではない自分には不可能

・独立支援を行っている薬局に勤め、数年後に独立

→少しでも早く独立したかったので却下(このケースは単なる従業員を囲い込むための虚言であることも多いので注意!)

・小規模薬局を譲りうける(購入)

→これしかない!

ということで、Drとのコネクションがない私は既存の薬局を買うことに決めました。

物件探し

薬局を買うといっても普通に家を買うときと違って、情報を集めるのも大変です。

私はインターネットを中心に情報を集め始めましたが、そこで分かったのは、開業案件を見つけるにはタイミングと決断の早さが大事ということでした。

開業する前は自分の中で開業したい地域や、受けている処方箋枚数や科目、Drの雰囲気、値段など色々考えているものがありました。

しかし、まず案件自体ぽんぽんと出てくるものでないため自分の理想の地域での開業は中々難しいです。そして、少し理想と違う地域で、枚数や値段の交渉などで悩んでいる間にすぐ別の人が決めてしまいます。

こんなに高い買い物なのにみんな勇気あるなあと思って関心するしかないです。

そんな中、物件を探し続けて約半年くらいで、とある案件を頂き、私は決断することになりました。

決まった物件について

決まった物件について少し触れたいと思いますが、その前に元々の私の希望について書きたいと思います。

①家から30分以内

②1500万円以内

③小児科、婦人科門前以外

④Drが若め

そして実際の物件の条件がこちら

①家から30分以内くらい

→約1時間

②1500万円以内

→合計で1500万円強

③小児科、婦人科門前以外

→内科

④Drが若め

→70才くらい

大分かけ離れているようですが、この物件に決めたのにはわけがあります。

1.売り上げが長く安定していた

特に突出しているわけではないが、前のオーナーが長い間経営されており、落ち着いた数字で先が読みやすいと感じました。

新規開業や、開業間もないところは売り上げが読みづらく、見通しが立ちづらいです。ただ、自分次第で売り上げが上がる可能性もあるのでやりがいもあるかと思います。

2.2代目Drがいた

今のDrは高齢だが、2代目が決まっていて長くやれると感じました。

3.値段

薬局を仲介で譲りうける際には単純な譲渡費用の他にも色々とお金がかかります。

仲介料(300~500万)、医薬品の在庫金額、テナントの保証金、什器やレセコンなどの買取費用(リースが引き継げず買取の場合)などです。

それらを考えると総額1500万円以内で譲り受けられるところはそう多くありません。

以上を鑑み開業の決断をしました。

予想では3~4年でペイできるかなと考えておりました。

ちなみに自己資金は3~400万程で、後は借り入れをしました。

お金について・・

先ほど自己資金と借り入れについてさらっと書きましたが、皆さんご承知の通りお金はとても大事なところです。そこでもう少し書き足しておきたいと思います。

まず、開業するにはいくらあればいいですか?と良く聞かれますが、正直分かりません。

その方の希望する案件の大きさによるからです。

ただ、自己資金は多くあることに越したことはありません。

それは、心の余裕と融資の受けやすさです。

薬局という事業は飲食店などに比べれば融資を受けやすく、僕が融資を受けた公庫さんなどは安めの金利で融資をしてくださいました。自己資金が多いほうが融資を受ける際には借りられる額など色々有利になります。

融資というのはなんとなく響きが良いですが、要は借金なので、私は気乗りしませんでした。利子も気になるので、私は必要最低限だけを借りることにしました。

しかしこれはお勧めしません!

残高がなくなっていくのは焦ります。特に開業当初はお金は出るだけなので焦ります。そして薬局の保険収入の部分は2ヵ月後に入金なのでさらに焦ります。

私は自己資金、融資分併せて保険収入が入る直前くらいに底をつきそうだったので、中々のストレスを感じていました。

ですので、開業資金だけでなく、運転資金というものをしっかり考慮に入れ多めに融資を受けることをお勧めします。

開業準備

私はこの物件の後、新規開業も経験したのですが、既存の物件を譲りうける場合あまり準備には時間がかからないように感じます。

既に開局するために必要なものは当然揃ってますし、ずっと営業もしてますし。

保健所や厚生局にはもちろん事前相談はしておりました。

そんな中でも数値の勉強はしてました。採算が取れるラインや、引き継いで売り上げが落ちてしまった場合のシミュレーションは何度もしていました。

そして、開業の約1ヶ月前から引継ぎに入りました。

開業後

引継ぎも無事に終わり、ついに自分の薬局での営業の時がきました。

当時はやる気が溢れすぎて、緊張よりわくわく感が優っていた気がします。

一人目の患者さんが来たときのうれしさは格別でした。ただ、患者さんが来ないときの不安感はとてつもないものでした。

1ヶ月強引継ぎを行って、患者さんが来るペースもわかっているはずなのに、雇われで勤務しているときには何も感じなかったなのに、患者さんがいない時間がとてつもなく不安でした。このままどんどん患者さんが減っていくのではないかと・・。

しかし、患者さんが自分の薬局を選んで来て下さっているということのありがたみを、いざ自分でやってみて非常に感じました。そして、それを感じることで接客対応が自然と良くなっていきました。友人が見学に来たときには別人格すぎて驚かれるほどでした。

そういった意味では患者さんにもいい影響があったのではないのでしょうか。

「若いのに頑張ってるね」とか「お宅に他のところの処方箋も持ってきていいの?」とかコミニュケーションをとってくれる方も多く、調剤薬局で働いて初めて楽しいと感じました。

その後、運よく在宅患者さんも何件かつき、経営も安定しました。それでも小規模薬局なのでぼろ儲けというわけにはいきませんが。

失敗談

ある程度上手くはいっていましたが、その中にもいくつか失敗はありました。

①Drとの関係

開業前にも挨拶はさせて頂いてましたが、開業後にも挨拶に伺いました。Drは2人いらして、大先生から挨拶をしました。アポをとりにクリニックに行ったらそのまま通され面会しました。

そんな感じなのかなと思い、同様にもう一人のDrに挨拶に伺おうと思ったら会えず。2度目3度目も会えないとの連絡。嫌な感じはしたのですが、何度目かでようやく面会できました。

その開口一番で「君は非常識だ」と言われてしまいました。普通事前にアポをとってから来るだろうと。全く仰る通りです・・。

大先生がそのままいけてしまったので何も考えず、同じ方法で会いにいってしまった私のミスでした。まだ何の関係性も築いていないのに・・。

出だしがこんな感じだったので内心終わったと思いましたが、Drがこれからは気をつけなさいと寛大な心で許してくださったので事なきを得ました。

ビジネスマナーの大切さを痛感しました。

②事務さんの引継ぎ

既存の薬局の譲渡だったので、事務さんも元々働いている人がいました。その薬局でのやり方や、患者さんのことなどを知っているので本人たちの了承を得て、そのままこちらでも雇用することにしました。しかし、ここにも落とし穴が・・

事務さんは当然今までどおりのやり方で仕事をします。しかし、僕は変えて欲しいところがありました。

どこの薬局でも起こりうるようなことではあるのですが、私は自分がオーナーになったので、妥協点を見つけず自分のやりたいようにやるのが普通だと感じ、譲りませんでした。

結果、退職・・。

すぐに求人広告を出し(調剤事務は応募数が凄い!)営業は滞りませんでしたが、少々焦りました。

まとめ

自分の店を持つということは非常に楽しいです。やりがいもあります。

ただ、Drの病気などによる突然の閉院や移転などによるリスク

私の場合はメインの薬剤師を兼ねていたので、自分の体調リスク

制度改正や消費税の増税による経営リスクなど様々なリスクがあり、心労も絶えません。

そんな心労に負けない強い心があれば是非独立してみる価値があると思います。